9 「旬」のものを食べよう
・四季に恵まれている日本では、人々も動物もむかしから「旬」の食べもの、つまり季節に応じた食べものを食べてきました。
・トマト、きゅうりは夏の暑い盛りにからだを冷やすためにはよいのです。バナナやパイナップルは熱帯で暮らす人々が暑さをしのぐための食べものです。それを冬のさなかに口にしていれば、からだが冷えて、夜寝つかれなくなるのはあたりまえなのです。
10 「そのまま」食べよう
・とくに日本料理の場合には、なるべく手をかけないほうがおいしく食べられます。たとえば、魚の刺身や塩焼き、葉菜のおひたしなどです。調味料も複雑なものは少なく、塩・味噌・醤油・酢など、ごくかぎられたもので十分です。
11 「まるごと」食べよう
・食べものを選ぶときに大切なことのひとつに、「生きもの全体」をたべるということがあります。ヒト以外のすべての哺乳動物は、それが生きているかたちであれ死んでいるかたちであれ、植物ならば芽が出てくる、動物ならば子どもを産むことができる部分を、ふくんだ「生きもの全体」を食べます。
12 「まごはやさしい」のすすめ
・ま:豆です。日本人ほど豆、とくに大豆を食生活に組みこむことで健康を保ち、病気を予防してきた国民はいないと思います。豆腐、納豆、湯葉、さらに醤油や味噌など食生活にはば広く使われています。
・ご:ごまです。しぼったごま油ではなく、さまざまな成分がふくまれたごまの実そのままです。
・は(わ);わかめ・こんぶなど海藻類です。
・や;野菜です。野菜は子どもの情緒を安定させます。
・さ;魚です。日本人の動物性たんぱく源としては、肉より魚のほうがすぐれています。
・し;椎茸などのきのこ類です。椎茸にふくまれる成分にはコレステロール(血管をつまらせる成分)を減らしたり、血栓(脳梗塞などの原因になる血のかたまり)をおさえるはたらいもあります。
・い;いも類です。
(真弓定夫医師著「元気なからだは食べものでつくる」4につづく)