テニスプレイヤー ノバク・ジョコビッチ選手の食事改革

2024年パリオリンピックで金メダリストとなったセルビアのテニスプレイヤー、ノバク・ジョコビッチ選手は、「ジョコビッチの生まれ変わる食事」という本を2015年に出版しました。

ジョコビッチ選手は4歳の時テニスと出会い、6歳のときにはウインブルドンで優勝するという目標を掲げ、自身も家族も多大な犠牲を払って練習を重ねました。

ところが大舞台に立つと倒れて試合に負けてしまいました。長丁場の試合になると頭の中では不気味な音が響き、鼻はふさがれているように感じられ、胸は苦しく、足にはコンクリートを流し込まれたようになるのでした。

ジョコビッチ選手は様々な努力をしました。毎日朝と午後、練習をし、ウエイトトレーニングをし、一日も欠かすことなくバイクをこぎ、走り込みをしました。

トレーナーやコーチを替え、呼吸をしやすいように鼻の手術も受けました。メンタル面の調整のため、ヨガや様々な薬も試しました。

そうした努力の結果、シーズンごとに少しずつ結果がよくなり、世界ランキングトップ10に加わるようになりました。それでもまだ、ジョコビッチ選手は試合中の体の異変に苦しみ続け、「世界最高の選手」という夢には届きませんでした。

2010年1月、全豪オープンで準々決勝まで進んでいたジョコビッチ選手は、試合中またもや呼吸困難となり、世界ランキングで自分より下位の選手に負けてしまいました。

セルビア出身の栄養学者、イゴール・セトジェヴィッチ博士が偶然テレビでその試合を見ていました。セトジェヴィッチ博士は、ジョコビッチ選手の呼吸困難は、体内の消化システムがうまくいかず、腸内で発生した毒物により引き起こされたと推測しました。

セトジェヴィッチ博士はジョコビッチ選手に、まず2週間、食事でグルテンを摂らないようにアドバイスしました。これは大変なことでした。

ジョコビッチ選手の実家はピザ屋で、子供の時から毎日ピザを食べていたからです。しかしジョコビッチ選手はセトジェヴィッチ博士のアドバイスに従いました。

2週間小麦を摂らないようにして、再び小麦を食べたとき、ジョコビッチ選手はとても苦しい体調不良に陥りました。ジョコビッチ選手のムラのある試合の原因は、小麦に不耐性があるのに、毎日食べ続けていたことでした。そのことが判明してから、ジョコビッチ選手はとても厳しく自分の食事を見直しました。

ジョコビッチ選手は、食事内容を変えたことにより、肉体が強靭になり、メンタル面も安定し、現在の成功を勝ち得ることができました。

食事の内容を変えることが、人生をも変えるというエピソードでした。

参考:本の要約サービスflier